ギター バックナンバー

DISK RECOMMEND ('08年10月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
レビューページの画像をクリックすると、Amazonのページにリンクします。

★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

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夜のストレンジャーズ / トラブルボーイズ

RCSP-0008 2,310yen(tax in) / 10.08 IN STORES
不滅の“夜スト”ワールドが臨界点にまで達した金字塔的作品集

夜ストの音楽が格段に面白いのは、ブルースやブギーを分母に置いたシンプルなロックというオーソドックスな雛型に則っているのに、その雛型からうっかりハミ出してしまうところだ。日本でブルースと言えば眉間にシワを寄せていぶし銀の歌声で日々の無常を唄うような、何だかやけに深刻ぶった敷居の高い音楽という受け止め方をされてしまうが(親日家であるエリック・クラプトンの功罪だと思うが)、夜ストの音楽にはそんな胡散臭さは微塵もない。生粋の音楽マニアであるギター&ヴォーカルのミウラは、自身がこよなく愛する本場のソウルやロッカビリーを忠実すぎるほど忠実に夜ストの音楽性に採り入れているが、どうにも素っ頓狂なのである。それはミウラの塩っ辛いヒーカップ唱法に負う部分も大きいとは思うが、やはりその極めて箱庭的な歌の世界観こそが素っ頓狂なハミ出しっぷりを増幅させているのではないか。決して自分を大きく見せることがなく、唄われる内容はビッグ・ウェイヴなど望むべくもないごくごくありふれたちっぽけな日常だ。でも、だからこそいい。だからこそグッと来る。寄せては返る小波という日々の泡をこれほどまで肉感的に表現した日本語のロックは、有史以来でも稀だろう。安酒をカッ喰らって気が大きくなり、つい友達に余計なことを言い過ぎて後悔した夜にそっと寄り添ってくれるような人肌の音楽、とでも言えばいいか。正体を失くして自分が泥濘になったように感じる深夜4時、『バスタブブルース』の跳ねたリズムがスットコドッコイの自分を正当化してくれる。そして思い知る。ひたすらバーボンを呷ってトム・ウェイツを気取るなんざ、ブルースの間違った解釈に過ぎないと。酔いどれの果てにあるものは、ミジめでショボクレたどうにもカッコつかない自分自身を突き付けられるウンザリな気分だけだ。そして、それがきっとブルースの本質なんだと思う。絶対的にカッコ悪いこと。絶対的に情けないこと。絶対的にビッグ・ウェイヴなど到来しないこと。それを夜ストは本能的に知っているのだろう。
前作『SOUL ON FIRE』から1年9ヶ月振りに発表されるニュー・アルバム『トラブルボーイズ』でも、彼らのスタンスは1ミリたりともブレがない。が、着実なビルドアップの跡も窺える。ルーツ・ミュージックへの憧憬を直情的に表したサウンドはより堂に入った感があるし、シャイなロマンティストの小さな独白は相も変わらずアルコールの力を借りたものだが、『泥の川』のように自ら退路を断って生きる覚悟を唄った勇ましい歌もある(己の夢に賭けた三十路男には生きる糧にしたくなる歌である)。大好きなロックンロール・バンドが自分の街にやって来る昂揚感を何の衒いもなく描いた『トラブルボーイズ』の純真さ、『VIBRATE LOVE』や『RED RIPE TOMATOES』といった粘着質なエロ・ブルースでの剥き出しの欲情、ハードなロシア民謡とでも言うべき『水晶の夜』の無国籍情緒に溢れた佇まい、アコースティックを基調とした『木曜日ならベイビー』の情感の豊かさ、レッドベリーの『グッドナイト、アイリーン』を彷彿とさせる子守歌『おやすみ恋人よ』のまどろみに似た心地好さ──そのどれもが良い。とりわけ、女性の裸体を赤く熟れたトマトに見立てた『RED RIPE TOMATOES』は、有機的なバンド・アンサンブルの妙、性的なダブル・ミーニングを施した歌詞の秀逸さ、一段と凄味を増したミウラの歌声と、どれだけ控えめに言っても傑作である。“果肉は破けてはじける”“したたる果汁を飲み干す”という歌詞の暗喩が決して下品に聴こえないのは、ミウラ特有のシャイネスに起因していると思う。己の絶対的なカッコ悪さを熟知し、恥を恥として知る人間だけが心の機微に触れる表現を可能にするのだ。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


赤い疑惑 / 東京ファミリーストーリー

aka-004 2,415(tax in) / 10.10 IN STORES

2007年12月表参道サウンドデモ(車上ライブ)も記憶に新しい、21世紀の爆弾ボーイズ「赤い疑惑」が前作より約3年ぶりとなる2ndアルバムを自身の主宰する「赤いプロダクション」より発売します。待望の本作は73分という驚愕のボリュームと、アクセル長尾氏(G&Vo)の父、長尾カズ☆メヒコ(ラテンギターと唄)との共演が堪能できる傑作です。  もちろんパンクロック、ヒップホップ、歌謡曲、フォーク、アカペラ、お囃子などなどを昇華したミクスチャーロックスタイルも健在。10月5日下北沢 ERA「CD 発売記念LIVE〜お父さんと一緒〜」にて全国販売に先駆け、先行販売も行われる模様です。皆様、是非足をお運び下さい!


(下北沢SHELTER店長:峯崎)


あのHUMPTY / 悶☆パニック

ANRD-00002 1,200yen(tax in) / IN STORES NOW

自主制作だけに、予定していた発売日よりもだいぶ遅れてしまいましたが、ようやくのリリースになりました。あのHUMPTYが、愛情も時間もたっぷりかけて作られた『悶☆パニック』。以前Rooftopでインタビューの際は、まだ数曲しかできていない時期だったので、こういう作品になったとはCDを手にするまで知らなかったのですが、煌びやかで華やかで、格好つけているのにお茶目な部分もちゃんと持ちあわせた、あのHUMPTYらしい作品です。
アルバムタイトルが『悶☆パニック』だけに、“モンスター”がキーワード(だと思う)。1曲目のインスト『あのプロローグ〜魔界の扉〜』でモンスターが住む館に手をかけてしまったかのような、ドキドキとした気持ちを感じさせ、2曲目の『悶☆パニック』からは、もうあのHUMPTYの、あの感じの、あのライブの楽しさがギュッと凝縮されています。『ありふれた幸せ』は、これまでにない壮大なラブ・バラード。また、m.c.A.Tさんがアレンジをされた曲『俺のラブソング』があったり、なんだかすごいことになりましたねー、な1枚となりました。ワクワクしたりキュンキュンしながら聴いて下さい。ちなみにレコ発ツアーが9月から始まってます。「悶☆パニック〜ワンランク上の夏 リターン〜」。確か前回のツアーがレコ発ツアー予定だっただけに、今回タイトルでさりげなくリベンジを匂わせています(笑)。こういうセンスが好きです。


(Rooftop:やまだともこ)


APRICOT / JAPANESE POP CHILDREN

LOCL-008 2,100yen(tax in) / 10,07 IN STORES

今から3〜4年前、本厚木にある某ライブハウスで俺は恋をした。たまたま友達のバンドと対バンしていたAPRICOT。楽曲、MC、ライブパフォーマンス、全てが最高に楽しめるバンドだった。先日、下北沢シェルターでレコ発のイベントがあり、一足先にこの音源を頂いてきた。彼らの待望の全国進出に興奮のあまり、今レビューを書いてる右手が震えている。明るく陽気で、聴く人間に優しく話しかけてるような楽曲達、今回のアルバムにはそれも含め、彼ら4人の個性が凝縮されていて、聴いてると元気が出てくるし、何か気持ちが楽になる。例えるなら休日にいつもよりゆっくり寝て起きて、寝ぼけ眼でTV観ながらトースト頬張ってるあん時みたいな感覚。好きなんだよね、あの感じ。とにかくAPRICOTの音楽は気持ちが良い。ライブなんて特に。スカッとするね。このアルバムをこれから手にする人には是非ライブにも足を運んでみて欲しい。ハマッて抜け出せなくなるかもな、きっと。


(Asagaya Loft A:イリサワ ユウト)


e-sound speaker / 瞬間

COCP-34975 2,675yen(tax in) / 10.01 IN STORES

年末にかけてホントに良い作品が手元に届く機会が増え、この作品もそんな1枚。私が彼らを好きになった理由は、声と楽曲の存在感。生み出される曲の為にあるような声。この声の為にあるような曲。どっちにしろ、ボーカル&ギターの大迫さんの声の存在感は私の中でとても大きい。もちろんこれはこの作品で立証済み。心の中にあるネガティブな気持ちに、一瞬の光として曲が差し込み私をキラキラした未来へと誘ってくれるかのよう。力強くぬくもりのある作品。人肌恋しいこれからの季節にオススメの1枚です。


(SONG-CRUX:樋口寛子)


S.M.N. / SMILE YOUR TEARS AWAY

ZYCD-1007 2,310yen(tax in) / 10.08 IN STORES

いろんな意味で、全国各地でお騒がせな奴らS.M.N.(from FUKUOKA)。彼らの3枚目の NEW ALBUMが約2年ぶりに届いた。彼等ならではのヤンチャな部分も残しつつも、その先へと一歩前進したような、少し大人になった彼等を覗けるのではないだろうか。これまでの活動からいって、無茶という言葉が彼等の代名詞というくらい、全然関係ない所へ飛んで来ては飛び入りしてみたりと(笑)数知れない。でも、その行動力は最近のBANDには見られないくらいの気持ちの強さだった。全てが楽しい事ばかりではなかったはず。それまでの意味が、今作品のアルバムタイトルと被っているような気がしてならない。切ないナンバーまで披露している所が、憎らしい。今までの作品とは違って、言葉というか歌詞に対しての意味の度合いが違ってきている中に、純粋さという部分はより深みを増している気がした。彼等なりの等身大ともいえるPUNKな作品だ。これをTOURでどう伝えていくのかが、今から楽しみで仕方が無い。


(下北沢SHELTER:平子真由美)


エレファントカシマシ / 新しい季節へキミと

初回盤(DVD付)UMCK-9238 1,800yen(tax in) / 通常版 UMCK-5219 1,100yen(tax in) 10.01 IN STORES

じつに37枚目となるエレファントカシマシのニューシングル到着!せつない気持ちと力強い意志が織り交ざった、明日へ向かうべく共に歩いてゆこうとなげかけるラブソング。昨年からのエレファントカシマシは「これで終わりではない。ココからがはじまり。いこうぜ!」と強く訴えかけている。今回のシングルもラブソングに乗せ、恋人達に限らずやはりすべての者に「はじめよう!」とうたう応援歌なのだと感じる。私たちの経験と重ね合わせやすく日常的に考え得る気持ちが綴られた歌詞。非常におぼえやすくスッとココロに入ってくるメロディー。とても気持ちイイ。人生における春夏秋冬が歌い上げられた、時にせつなく、しかし眼前は光で溢れまぶしい事を感じさせてくれるココロ潤す壮大なラブソングだ。


(NAKED LOFT:川上恵里)


音速ライン / 風恋花凛

UPCH-20114 2,600yen(tax in) / 10.22 IN STORES

2008年の音速ラインは瞬く間に数々の名曲を世に送り出している。音速ライン史上最強にハートフルな作品であり、思っていても大切な相手になかなか伝えられないメッセージを恥じらいなく伝えている。ロックなサウンドの中に聴こえる、どこか懐かしいメロディは彼等の武器であり逸品。全ての楽曲を書き上げている藤井さんの音楽の懐の広さが窺え、そんな彼を剛君のベースが太い柱となってしっかり支えている。これまでになく胸をキュッと締め付けられ、涙腺が緩んでしまった。きっと彼らの音楽活動が充実しているんだろうと思いながら、早くも次の作品に期待しつつ、人生の大切な1枚としてずっと愛していくんだろうな。個人的には13曲目『大切な人』がとても響きました。そんな彼らの音楽活動の原点とも言える時代に関わって来た事をホント誇りに思う。


(SONG-CRUX:樋口寛子)


ザ・ガールハント / ドレミ=ファンダメンタルズ

FLOWER-098 2,310yen(tax in) / IN STORES NOW

ザ・ガールハントが1年ぶりにリリースしたニューシングル『ドレミ=ファンダメンタルズ』は、CDとDVDの2枚組!!  CDは、全4曲をA面シングルにしたかったと、挿入されている全曲が千葉&増沢による共同作品。ガールハントのこれまでの作品といえば、僕と君のラブソングをキャッチーに歌うことが多かったが、今回は違う。お約束となりつつあったシークレットトラックもない。“今まで以上に真面目に取り組もう”と、サウンドを重視したり、ラブソングではないものを作ったり、音楽をやる上での立ち位置を明確に提示した結果、ただひたすら真剣に音楽と向かい合ったガールハントの姿を窺うことができる。
しかし、これで終わらないのがガールハント。いつのころからか“MCが面白いバンド”と囁かれている彼らの“爆笑MC集”と、これまでのPVを集めたDVDは必見。“爆笑MC集”と大胆なタイトルが付けられたMC集では、ライブに来た人にしかわからなかったガールハントのMCの面白さを、より多くの人に知ってもらえるのは嬉しい。1回1回のライブを楽しんでもらえるように、音楽はもちろんのこと、MCの細部までも気を抜かないところはまさにエンターテイメント。ガールハントは常に全力投球です。
この1枚で今ガールハントがどうなのかがよくわかる。そして、リリースが予定されているアルバムがもっと楽しみになるはず。


(Rooftop:やまだともこ)


COMEBACK MY DAUGHTERS / EXPerience

PZCA-43 2,300yen(tax in) / 10.22 IN STORES

COMEBACK MY DAUGHTERS、略してカムバックのニューアルバムが届いた。今までのカムバックの個人的な印象はキラキラとした、ポップでちょっとひねくれた、良くも悪くもイイバンドだよねと言われるようなバンドだった。
だが今作を1回聴いて、何かが違うと思った。その違いは2回3回と重ねて聴くとなんとなく判った。ひねくれていない事が。とてもとてもストレートに名曲が詰まっている。こんなOASISの様な王道美メロを歌うバンドが日本にいたのか。
1曲目『EXP』のイントロで、これから始まる壮大な物語の高揚感を感じ、『Crystal』のずっしりと真ん中を歩く切ない男心をくすぐる歌、そして『Hot Chinkee』の極上のポップソングに哀愁を漂わせながらも、至上の喜びを同時に表現する。文字数の都合上全曲紹介は出来ないが、ここから発せられる、全ての単純な名曲達が私のiTunesの再生回数ランキング1位を取る日も近い!


(新宿LOFT店長:大塚智昭)


ザ・キャプテンズ / I LOVE GS

GSCR-1007 / 2,625yen(tax in) / 10.22 IN STORES

ザ・キャプテンズがGSの名曲をカバーしたニューアルバム『I LOVE GS』が完成した。アメリカのインディーレーベルより日米同時リリースとなる。ザ・タイガースの『花の首飾り』や、ザ・テンプターズの『エメラルド伝説』『今日を生きよう』、ザ・スパイダースの『夕陽が泣いている』や『フリフリ』、ザ・ダイナマイツの『トンネル天国』などをカバーし、GSを聴いて育った方には今すぐにでも踊りだしたい選曲になっている。これをザ・キャプテンズ流にリスペクトを込めたアレンジを加え、予想外のサウンドで聴かせ、水戸華之介さんや、GELUGUGUのホーン隊をゲストに迎えた楽曲が、このアルバムに花を添えている。
GSが一番盛り上がっていた時代には生まれていなかったので、後々テレビで流れていたものを聴いたことがあるぐらいでしかないからこそ、先入観を全く持たずに聴くことができたのは事実。原曲が体に染みつくぐらい聴いていると、これはこのアレンジではないと思うこともしばしば。しかし、このアルバムは、最後まで違和感も感じることなく楽しむことができたのは、彼らのGSに対する愛情もたっぷり感じることができたからだろう。アルバムのラストには『夕陽が泣いている』のインストバージョンも挿入。
11月には映画『GSワンダーランド』が公開になり、GSブームが再来するような予感。まずはこれを聴いて酔いしれるのが良いと思う。


(Rooftop:やまだともこ)


9mm Parabellum Bullet / VAMPIRE

TOCT-26599 2,500yen(tax in) / 10.15 IN STORES

まるで倍々ゲームのように増え続けるライヴの動員と、それに伴う人気の加熱ぶりに食わず嫌いになると実に勿体ない作品集である、と思う。僕自身、すでに絶対的な支持を誇るバンドは今さら本誌で取り上げる必然性もないと考える質なので、つい色眼鏡で見てしまう人の気持ちはよく判る。よく判るが、この9mmのメジャー移籍2作目となる本作だけは何の先入観もなく聴き入ることをお勧めしたいのだ。まず何よりも、メンバー全員が参画したという各楽曲のクオリティが尋常じゃなく高い。ギター・リフとドラムの無差別絨毯爆撃曲『Trigger』、アンサンブルの妙が存分に楽しめる壮大な『Faust』、ドアーズの『Touch Me』と井上陽水の『氷の世界』をシャッフルしたかのような『悪いクスリ』、終わりなき日常を列車になぞらえた『次の駅まで』、中森明菜の『少女A』を彷彿とさせるイントロに心が躍る『Living Dying Message』など、徹頭徹尾捨て曲ナシ。カサブタをムリに剥がすように心の暗部をえぐり出そうとする菅原の歌詞の世界観も相変わらずドン詰まりに暗くて最高。なお、本作のインタビューは本誌を含むフリーペーパーでパートごとに異なる組み合わせの記事を同時掲載するという画期的な試みが成されているので、是非他誌の記事も一読して頂きたい。まァ、本誌がその中で一番面白い記事になっているのは言うまでもないけどね(笑)。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


GOUPIL AND C / PLANET SONG

MGNC-002 1,000yen(tax in)

ライブ会場・HP(http://www.goupilandc.net/)で発売中
彼等を知ったのは、「好きなものだけを好きなように紹介したい」という初期衝動たっぷりのコンセプトのもとにフリーマガジンを作ろうとしている友達(http://www.youngas.net/)からの口コミで、CDを聴く前にライブを拝見しました。このCDに収録されている曲もやっていたのですが、Vo&Gの小嶋さんとDrの平野さんの2人から繰り出される轟音に一気に引き込まれ、ベースレススタイルであるのにリズムもしっかりとどっしりとしていて、素直に格好良いと思いました。
雄々しく荒々しく初期衝動をぶつけるということは、時には滑稽に映るかもしれないけれど、とてつもなくキラキラした閃光を放つときが必ずきっとあると思うのです。
曲の詳しい解説がなくてすみません。ここ最近初期衝動に触れる機会が多く、嬉しくなってしまったので、このスペースには思いを只々吐き出したかったのです。MySpaceで視聴可能なのでゼヒ1度聴いてみてほしいです。…しかし、あの日のライブは本当に良かったなぁ。


(Naked Loft:松本 杏)


SHORT STORY / We get something but we lose something

IHSR8 1,575yen(tax in) / 10.24 IN STORES

ついにきたんですね! ついにやっちゃうんですね!! それが最初の一言でした。
おそらく待ちに待ったなんて言葉じゃない、もう一歩先の部分で待ちわびていた人も多いはず! 疾走感に満ちあふれ、ひとつひとつの音を拳に変えるほどのパワーに倒れそうになる僕を、極上なまでのシンガロングでぶちのめしてくれる。彼らにはそんな大きな力がある。USなんだかUKなんだかよくわかりませんが、とにかく極上メロデュックと言うジャンルの表現のしかたが正しいと思われます。とは言え、まだまだSHORT STORYと言う名前を知っている人は極々わずかでしょう! むしろSHORT STORYが日本の音楽シーンの中心にいたら若干寂しい。彼らには申し訳ないがあくまで彼らにはアングラでいてほしい。と言うのもなんかおかしな話ですが、勝手な僕の中のSHORT STORY像がそうなだけでやっぱり売れてほしいのでみんなCD買ってください(笑)。


(新宿LOFT:HxGxK)


ジンギスカン×Berryz工房 / ジンギスカン タルタルミックス

PKCP-5122 1,050yen(tax in) / IN STORES NOW

今年3月にリリースされたBerryz工房初の洋楽カバー曲『ジンギスカン』(編曲はダンス☆マン!)が今度はリミックス盤として再登場。しかも、これが本家ジンギスカンの原曲とのリミックスというから興味深い。原曲の『ジンギスカン』は1979年のディスコブーム真っ只中にドイツのグループ「ジンギスカン」が放った世界的ヒット曲で、当時は日本でもディスコはもちろん小学校の運動会でも定番曲となっていた(今思うと時代的にかなりどうかしてました)。このほど、ドイツで原曲のマスターテープが発見されたらしく、このマスターを使用してBerryz工房と30年の時空を越えた競演が実現したわけだ。リミックス版の「タルタルミックス」はテンポも若干速くなり、フロアであがること間違いない。こうなったら、昨年アメリカのテレビ番組でエルヴィス・プレスリーとセリーヌ・ディオンが(映像編集により)40年の時を越えたバーチャル競演を果たしたように、映像版ジンギスカン×Berryz工房も観てみたくなってくる。まあ、そういう時代なんでしょうね。


(加藤梅造)


THE DISASTER POINTS / SINGALONG FOREVER

RRR-007 1,050yen(tax in) / 10.18 IN STORES

2007年結成の、大阪を中心として活動するTHE DISASTER POINTSの1stシングル。早くも大阪NO.1ストリートパンクの名を欲しいがままにしていると言うふれこみ通り、勢いある演奏と、熱の込められた5曲が収録されています。正直、自分もストリートパンクとは? と聞かれると答えに詰まってしまうのですが、SOCIAL DISTORTION、DROPKINK MURPHYSなどのように、コーラスをみんなで合唱するスタイルと、拳を振り上げたくなるような男気あふれる雰囲気は、やはり惹かれるモノがあります。特にミドルテンポの曲で声の強さが際立っていて渋い魅力が出ていると思います。HPはこちらhttp://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=tdgat


(LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ)


TESTAMENT / THE FORMATION OF DAMNATION

KICP1299 2,700yen(tax in) / IN STORES NOW

行って参りました。今年のスラドミ。もちろん目当てはテスタメント。この前出たDVDが思いっきりかっこ良かったので絶対ライブはかっこ良いだろうと思ってたんですが、予想以上のかっこよさ! 久々にライブで首が筋肉痛になりました。ポールのドラム、アレックス先輩のギタープレイはもちろん、チャック先生の圧倒的な存在感と声。あんたは悪魔ですか? そんな再結成の絶好調ぶりが見事に濃縮されているこのNewアルバム、必聴もいいとこです。
さて訳合って俺が書いて来たこのメタルレビューも、今回が最終回になりました。俺のレビューや打上でメタルのBGMを楽しみにしていてくれた皆様、どうもありがとう御座いました。板垣死すとも自由は死せず。五味は居なくともメタルは死せず。STAY HEAVY!


(下北沢SHELTER:ジョン ゴミ ジョビ)


NEW ROTE'KA / バイバイモンキー

NRRC-0001 1,050yen / 10.18よりライブ会場と通販で販売開始

来年で結成25周年をむかえるパンクロックバンド、我らのニューロティカ大先輩のシングルが到着しました! ライブではおなじみのハッピーチューン『バイバイモンキー』がシングルになって到着しました! いままではライブでしか聴けなかったあの名曲が! 遂に! ご家庭でも! 楽しめるようになりました! しかもなんと、現メンバーになってから“初”のシングルですって! やだもぉ、超おーめーでーたーいー!
改めてCDで聴きますとね、これがですね、やー素晴らしい。聴き始めれば楽しい気分になって、聴き終われば元気になってしまうという「ロティカ・マジック」が炸裂してます。いわゆる「応援ソング」の類なんですが、そういう曲の大半が説教臭くなったり押し付けがましくなったり言い訳がましくなったりしちゃうのばかりなのに、何故だかニューロティカの「応援ソング」は、ただシンプルに楽しく元気にさせてくれまして、正に「ロティカ・マジック」!あんなに素敵な「頑張れよ!」って、なかなかないですよ! あっちゃんの歌声とカタルさんシズヲさんナボさんの演奏によって生まれる「ロティカ・マジック」! ナイス! 目指せ100万枚!


(ロフトシネマ:宮城マリオ)


BIGMAMA / Weekly Fairy Tale

RX-022 1,050yen(tax in) / IN STORES NOW

待ちに待った楽曲が私の手元届いた。 BIGMAMAの素晴らしい点はメンバー全員が23歳ながらBIGMAMAというオリジナルを確立している。ということである。自分達の色気、魅力、セクシーな部分を全て理解している彼らが、今回も実に奥深い楽曲を造り出した。 Opening Cinderella Sleeping Beauty Pinocchioという4曲入りのCD、Fairy Tale。 Cinderella Sleeping Beauty Pinocchioにはそれぞれサブタイトルがついており、Fairy Taleという芸術作品を理解する上で大変重要な意味を持っている。 あえてCDレビューであるのに楽曲には触れずにここまで私は語ってきた。なぜならば、聴いてもらえれば素晴らしい作品であることに一瞬で気付き、心を計算高いシンデレラに奪われるからだ。二度寝する眠れる森の美女になるのではなく、皆さんは開き直ったピノキオの気持ちになり、Fairy Taleを購入してほしい。Fairy Taleに出会い、自分を変えていくきっかけになればと私は願っている。


(新宿LOFT:omi)


ブラウンチューブ / 全てをあなたへ

LJSS-1001 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

最初はそのメロディの作りに戸惑いを隠しきれなかった。癖のあるメロディにのせるどこか懐かしい声とギターのフレーズ。今だから言えるが最初は少し受け入れがたかった。しかし、不思議なモノで何度も聴いていくうちに、完全に染み付いてきてしまったというか癖になってしまってきたというか。しかもここまでくるとその歌詞の切なさや意味が深く浸透してくる。なんなんだろう? この感じは? なんと言うか、あのひとりぼっちの寂しさのあとに訪れる何とも言えない心地よさや、でもそんなんじゃない自分とか、多分1人1人異なったものだけど、色々な風景がそこにあって、それが色々なことにシンクロする。
現代の表現者が唱う、もやもやした若き衝動のような物を感じるんです。


(新宿LOFT:HxGxK)


plane / Airport City 82

TFCC-86268 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

 昨年発表された2nd.アルバム『localizer』から約1年。しばらくライブも見に行けず、どうしてるかなと思っていた時にアンダーグラフのインタビューがあって、真戸原さんから「planeのアルバム聴きました? 僕、コーラスで参加してるんですよ」と。そこで、初めてplaneの新しい作品ができたんだと知ったのだけれど、届けられたplaneの3rd.ミニアルバム『Airport City 82』は、曲を聴いてこんなに幸せな気持ちになることもあるんだと改めて感じさせてくれる作品だった。前作に続き、彼らの持ち味でもある歌の良さとか、メロディーの良さは最大限に生かされているが、これまでに比べ、伝えられるメッセージがよりストレートになってきたように思う。遠回りをせず、ありのままの言葉で歌われるラブソングは、心がポッと温かくなるような、1曲1曲がキラキラとした光を放っていた。ボーカル菊地のやわらかくもあり、芯のしっかりと通った歌声を引き立てるように演奏されるバンドサウンドも絶妙なバランスで、planeがこの1年間の間に何を経験したのかはわからないけれど、バンドの音楽としてはとても良い方向に向かっている。ラブソングの中で異彩を放つのは『identity』。これまでの曲とは雰囲気を変え、四つ打ちでギターは唸りをあげるように掻き鳴らされる。
今回のミニアルバムから、Airport City=空港都市に着陸したplaneが、更に次の都市に向けて飛び立つ準備を始めたのではないかと想像ができる。『Airport City 82』は2008年の私的名盤です。


(Rooftop:やまだともこ)


松山千春 / 松山千春プレミアムアルバム『旅立ち〜足寄より〜』

COCP-35161〜2 3,150yen(tax in) / 10.01 IN STORES

THE POGOのインタビュー場所だった高円寺のP.I.G. STUDIOには、並み居るハードコア・バンドに混じってチィ様の最新ポスターが受付に貼ってある。さすが違いの判るスタジオだ(オープン5周年おめでとうございます)。きっと間もなくこの『旅立ち〜足寄より〜』の特典であるB2サイズのポスターも仰々しく飾られることだろう。本作は、全キャリアを通じて精選されたベスト・コレクションと映画『旅立ち〜足寄より〜』のサウンドトラックを併せた豪華2枚組アルバム。ベスト盤にはオリジナルではなく飛澤宏元のアレンジによる再録テイクが多数収められているのが良いと思う。個人的にも、『旅立ち』や『青春II』のアレンジは断然本作に収録されたテイクのほうが好きだ。ちなみに『旅立ち〜足寄より〜』とは、チィ様が23歳の時に書き下ろした自伝小説『足寄より』(紛うことなき傑作!)を映画化したもの。出演者の顔触れは、チィ様役に『クローズ』での好演が光った大東俊介、チィ様の恩人であるSTVの竹田健二氏役に麻雀狂という負のイメージをうまいこと払拭した萩原聖人、チィ様の父親である気骨の人・明氏役に今年還暦を迎えた泉谷しげるという布陣で、俄然興味が湧く。来年1月の全国公開までまだ時間もあることだし、チィ様も愛飲しているアサヒ緑健の緑効青汁でも飲みながら至上の歌声を改めて堪能しようではないか。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


WORMS'MEAT&REBELMONKEY SOUND RACER Split Single

XXX-44 1,050yen(tax in) / 10.1 IN STORES

東京HARD CORE PUNKシーンで10年以上のキャリアを誇るWORMS'MEATと独自のモータードライブサウンドを追求するREBELMONKEY SOUND RACERのスプリットシングル。ブルトップに入りっぱなしのギア全開サウンドが全篇にわたってイキリまくる!! こんな刺激は生まれて初めて!! 限界を超越したい人々におススメします。激プッシュ!! もう、やめ られない!! 本気(マブ)で………ヤバすぎる……………(~o~)


(プロレスラー:園山檸檬)


posted by Rooftop at 05:29 | バックナンバー