
幸せも悲しみも真摯に向き合い、全てをさらけ出した歌詞。
新生L.A.SQUASHの決意が込められた『MUSIC』リリース。
2003年6月に京都で結成されたL.A.SQUASH。2006年11月には1st.アルバム『a bottle of world』をリリース。2007年4月にはドラムとギターが脱退、同年12月には現ドラマーとなるShinjiが加入。4人編成で新生L.A.SQUASHとして再始動。 どんな人でも自分が歩んできた道はそれなりに険しいものだっただろう。それでも何とか乗り越えてきたから今があり、経験を積んできたから強くなれる。L.A.SQUASHの楽曲もまさにそれ。紆余曲折を経て手に入れたものが楽曲となって様々な表情を見せてくれる。fuyukoの伸びやかなハイトーンを駆使したボーカルには、優しさと悲しさとが表裏一体となり、エモーショナルに聴かせるメロディーによるアンサンブルがより楽曲の世界を広げる。 今回『MUSIC』と付けられた2nd.アルバムは、音楽やバンドに対して決意ともとれるタイトルを持つ。新たに歩き出したL.A.SQUASHのこれからにも期待が持てる。(interview:やまだともこ)
止まるつもりは全くない
──今年の1月に新しくメンバーが加入し、ようやくバンドが固まり始めた頃だと思いますが、そういう状況でも新しいアルバムを作ろうと思ったのはどんな理由からですか?
kazu:メンバーが抜けた時にライブをキャンセルしたりしましたが、止まるつもりは全くなかったんです。早く今の4人の作品を出したいっていうのが大きかったんです。
fuyuko:昔の曲ももちろん大事ですけど、今の4人の曲を作ろうよってみんなのモチベーションが上がっていてわりとスムーズにできていった感じです。
──今回アルバムタイトルが『MUSIC』とかなりストレートですが、バンドの決意が表れている感じですね。
kazu:こういうことをやっていくって提示したかったんです。ここからやっていくっていう目標というか決意ですね。そういう意味でファーストに近い感覚で取り組めましたよ。
──L.A.SQUASHは今までに比べてどう変わったと思いますか?
kazu:前は1人1人がやりたいことを合わせたものがL.A.SQUASHだったんですが、今はバンドという1つのものを4人が同じように見れてるなっていう感じがあります。バンドのことを考えてアレンジもしたし、活動もしたし、 L.A.SQUASHを真っ直ぐ出せるようになったと思います。
fuyuko:中心が誰かに傾いてしまうっていうわけじゃなくて、均等にやれてますよ。
──だから、3曲目の『I won't say』のようなメンバーやバンドを守っていこうという曲ができるんですね。
kazu:メンバーが脱退して、L.A.SQUASHという名前を一度なくすかどうかを考えたんですが、バンド名は残して新しいメンバーでやっていきたいというところがあったので、『I won't say』に関しては、守っていきたいとか続けていきたいとかそういうことですね。
fuyuko:前のバンドのときからやっていた曲で、思い入れも大きいんです。亡くなったメンバーともやっていたし、大事な曲やったんですけど、変えたいという思いはあったんですよ。でも、新しい自分たちの曲にしきれなかったんですが、メンバーが変わって今ならできるんちゃうかなって話になって、かなり練り直して、曲の雰囲気自体は変わってはいるんですけど、曲の捉え方はその時と今とは全然違うんです。
kazu:18歳の時の曲なんですが、その時には表現し切れていなかったのかもしれないです。
fuyuko:当時書いていた歌詞は、私と前のドラムとの共作なんです。この曲のイメージは、大切な人が死ぬことっていう物語だったんですよ。その後、皮肉なことにメンバーが亡くなるという経験をして、当時は悲しいけど頑張るよっていうのが物語でしかなかったんですけど、歌詞にすごく重みができてしまったという感じです。
音楽があるから頑張っていられる
──今回“生きる”ことが大きなテーマになっているような印象を受けましたが、いろいろな経験を経てきたからこその言葉なのかもしれないですね。
fuyuko:個々の曲の世界観は全然違うんですけど、根本的に考えていることは生きるということや死ぬということ、音楽ってなんだろうとかが思考の中心です。伝えたい事ってそんなにたくさんはなくて、いろいろ形を変えているけど、最終的には“生きる”っていうところに向いているのはあるのかもしれないですね。
──音楽をやっていることが自分たちの生きている証というか、音楽によって生かされているって感じますか?
一同:感じますよ。
fuyuko:音楽があるから頑張っていられるんやなっていうのはあって、落ち込んでいるときとかに救われることもあったし、大切な存在だと思います。誰かの曲を聴いた時もそうですけど、自分の曲でも力をもらうことがあって、自分の知らない部分を引き出してくれて、こんなこと考えていたんだなと気付かされる部分があります。
──詞はどういう時に浮かんでくるんですか?
fuyuko:曲が出来て、その曲のイメージから映像や具体的な内容は歌いながら出てきます。
──メロディーはfuyukoさんが作っているんですか?
kazu:前は僕とfuyukoで作ることが多かったですけど、最近はスタジオに毎日入った時にfuyukoから出てきたメロディーを4人で作っていくパターンになってきました。
fuyuko:何も考えずに鼻歌を歌ってるところをピックアップしてくれるメンバーがいるから、メロディーがメロディーとして曲になれるんですよ。
kazu:スタジオに入っている間中CD-Rに録音をしているんです。そこでふと出てきたメロディーを広げていくんですが、作るというより降りてくるみたいな感覚ですよ。
fuyuko:頭の上あたりまでメロディーが来ているんです。これを引っ張り寄せる感じです。
何も隠す必要はない
──詞のほうで、『l.a.s』は自分も同じような経験をしたのですごく共感できたんですけど、どんなきっかけでこの曲ができたんですか?
fuyuko:この詞を書く前に、すごく侮辱されたと感じた出来事があったんです。ちょっと仲良くなったりしたら、お前のことわかってるぜっていう人っているじゃないですか。知ったようなふりをするなっていう感じです。それで人の心に簡単に入ってくるなって思って、何を言われても自分が信じるものがあれば汚されないというところから書けた詞です。
──それが「I won't let you inside my heart」の部分になるんですね。ということは勢いで書いた詞ですか?
fuyuko:わりとそうですね。悪いこととかうっとおしいことがあると詞にしようって思うタイプの人間で、それをすればマイナスもプラスに変えられるというか、これも栄養になると思って歌詞を書いてます。ただ、意味なく怒ってることはあまりなくて、どっちかといえば落ち込むほうが多いです。知らなくていいものを知りたがる性質でもあるんですけど、知って心がすさむ時もあって、信頼している人を疑ったりもするし、自分のしたことが最悪やったときにそれすらも疑ってしまう。
──それは詞を書いて消化させる?
fuyuko:消化はできていないと思いますよ。でも、歌ってしまえば変わりますからね。
──詞はどれが一番大変でした?
fuyuko:『last words』の日本語はすぐできたんですけど、『MIDDLE』の日本語はめっちゃ悩みましたね。普段は英語なので、日本語を歌うということを特別に感じていたというか、バンドでやったことがなかったので、自分の中でもっと綺麗な表現をしたほうがいいのかなとかかなり試行錯誤しましたよ。最初にできた歌詞がストレートすぎたんですが、最終的にはストレートでええやん。何も隠す必要はないなって、勇気を出すのに時間がかかりました。
──詞にメッセージがすごく込められているのに、何故英語で歌おうと思ったんですか?
fuyuko:このメロディーを生かすのは何語かなって考えた時に、ニュアンスで英語で出したいなって思ったんです。でも、前作はそれに固執してしまったんですが、今回は日本語が欲しいと思ったら日本語を入れて、英語が欲しいと思ったら英語で作ったらいいし、そういう感じで言葉は選択していますね。
──前作から比べたら許容範囲が広くなった感じがしますね。
fuyuko:はい。そこで制限してしまっても、そこはこだわるところじゃないなって。
──サウンドは生々しさを感じましたが、これはエンジニアの原 巧一さんからもアドバイスをもらっているんですか?
kazu:みんなの意向です。今しかできないものっていうのがあって、その中でも生々しさは大事にしていて、その曲の表現ができれば音が綺麗とか汚いとか関係なくて、ノリのよいものを作りたいって思ったんです。
fuyuko:原さんはそれをピックアップしてくれるのがすごくうまかったです。
kazu:バンドがどうしたいっていうのをすごくわかってくれて、一緒に作ってる感じでしたね。
fuyuko:原さんのアドバイスでコーラスは幅ができたり、最初に持ってきたものとは世界観が変わったのはありましたよ。『Blind teddy』は、曲は全然違うんですけどサイモン&ガーファンクルみたいな世界がこの曲のコーラスには合うんじゃなかってレコーディングに挑みました。
──ギターのレコーディングはどうでしたか?
kazu:ギターが2人から1人になったばかりのころは1人で2人分やろうって考えていたんですけど、今は1人しかいないんだから1人でできることをやったらいいんだって。だから2本鳴ってるような感じを出したくなくて、ライブでも再現できるように作りました。
今の気持ちを鮮度の高い状態で残す
──9曲目の『raining』はピアノの曲でしたが追悼の曲なんですよね。前回もピアノで追悼の曲(『falling』)を書かれたそうですが。
fuyuko:『falling』は追悼というよりは元いたギターが亡くなって、自分たちがどうなったかとか事実の部分を書いているんです。今回は彼に対してのメッセージ。メロディーはずっとあったんですけど、言葉にならなかったんです。それで、そろそろ言葉にしようと思ったのと、直接的に彼に対する歌詞を書くのはやめようかなって今は思っていて、最後に手紙を書くぐらいの感じで書きました。
kazu:自分たちが成長していく段階で、振り返った時にわかったものとか見えたものを表してます。あの時と今では違う面が見えている気がしますね。
──楽曲は自分たちが歩んできた道を残していくという意味もあるんですか?
fuyuko:結果そういうことになっています。今のL.A.SQUASHがそうなのかもしれないですけど、アルバムを作るにあたっては作った時の今を詰め込みたいと思っていて、CDってそうだと思うんです。いつ聴いても初めて聴いた時の雰囲気とか匂いが漂ってくるというか、それが醍醐味というか、写真もそうなんですけど、あの時こうだったって思い出せる。それがリアルなほど、後々に残っていくことになるんじゃないかって。2曲目『I'm here for you』の詞を書いている時に、本当に好きな人がいたんです。その人と死に別れたりとか破局したりとかしたら自分たちの記憶には残っていても他に残す手段って限られてますよね。でもうちらには音楽があって、今の気持ちを鮮度の高い状態で残しておくことができますからね。全部そういうことなんかなって思います。
──このアルバムをリリースしてツアーがありますね。
kazu:10月から23カ所を回るんですが、昨年は2ヶ月ぐらいで55本ぐらいやったんです。
──fuyukoさんの歌声は高いから、そんなにやって喉は大丈夫なんですか?
fuyuko:それが大丈夫じゃなかったです。いい経験にはなりましたけど。
kazu:疲れていてもどんな状況でも自分たちを見せたいと思ってたくさん本数をやっていたんです。それで学んだこともあって、今は1回のライブでどれだけ伝えられるかというのを重要視していて、もっともっと1回のライブを大事にしていこうと思っています。
──今後はどうなっていきたいっていうのはありますか?
fuyuko:チャレンジはしていきたいですね。活動でもそうだし、音楽的なものも自分たちの型を作ってしまうのは嫌なので。信念のあるバンドではありたいなと思います。
kazu:筋は通して行きたいです。作曲する時は常に挑戦なんです。まだまだやりたいことがたくさんありますからね。自分たちをさらけ出した楽曲というのは、今後も変わらないと思うし、解放された人間が解放されたライブをしてる時は一番伝わると思ってます。
fuyuko:自分たちを出し切るしか能力がないというか、かっこつけることができる人間ではないんですよ。
kazu:新しい作品もどんどん出していきたいです。今すごく創作意欲がわいているんですよ。だから楽しみにしてもらいたいです。
L.A.SQUASH
MUSIC
RX-021 / 2,310yen(tax in) 9.03 IN STORES
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Live info.
“MUSIC”tour
10.04(Sat)新宿ACB
10.05(Sun)新潟JUNKBOX mini
10.11(Sat)滋賀B-flat
10.14(Tue)神戸STARCLUB
10.18(Sat)金沢VANVAN V4
10.19(Sun)福井CHOP
10.26(Sun)大阪CLAPPER
11.01(Sat)静岡沼津WAVE
11.02(SUn)八王子RIPS
11.04(Tue)仙台PARK SQUARE
11.06(Thu)三重MAX'A
11.08(Sat)豊橋LAHAINA
11.13(Thu)岡山PEPPER LAND
11.15(Sat)松山SALONKITTY
11.16(Sun)徳島CROWBAR
11.21(Fri)大阪北堀江club vijon
11.23(Sun)津山K2
11.24(Mon)広島Cabe-Be
12.11(Thu)名古屋HUCK FINN
12.15(Mon)千葉LOOK
12.16(Tue)横浜F.A.D
12.18(Thu)下北沢SHELTER semi FINAL!!
12.21(Sun)京都WHOOPEE'S FINAL!!
L.A.SQUASH official website
http://lady-killer-music.com/