ギター バックナンバー

DISK RECOMMEND ('08年09月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
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★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

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アンダーグラフ / ジャパニーズ ロック ファイター

FLCF-7157 1,050yen(tax in) / 9.17 IN STORES

今年1月にアルバムをリリースして以降、ようやくニューシングル『ジャパニーズ ロック ファイター』が完成した。このタイトルを見た時から、いつもとは何かが違うような気がしていた。何かゾクゾクするものを感じさせるタイトル。それはイヤフォンを耳に押し込んだ時に、想像が現実へと変わった。これまでは、それもシングルの1曲目となると、メッセージを充分に込め、心の底からじわっとやさしさで包み込んでくれるような温かい楽曲が多かったアンダーグラフ。私自身もそのメッセージの一言一句を全身に染みこませるように聴いていた。彼らから発せられる言葉に頷き、共感し、前に進ませてもらっていた。しかし、今回は何かが違う。いきなり突き刺すようなギターが鳴り響き、力強く打ち鳴らされるドラム、弾きまくられてると想像させるキーボード、ブリッジではベースのメロディーが心地よく、ボーカルもこれまでに比べると、より大胆に、よりセクシーに、まさに詞の中にもあるように「はしゃげ 唄え 情熱を燃やせ」と情熱的なサウンドを聴かせる。ライブも想像しながら作ったと言われていたように、体で感じることができる作品。彼らは、以前『真面目すぎる君へ』というシングルをリリースしているが、今作では「真面目な君は消してしまえよ」と相反するフレーズが出てくる。アンダーグラフ自身にもついて回っていただろう“真面目”というイメージ。「踊れ 騒げ 過去なんて燃やせ」の歌詞を見ても、自分たちもこれまでのイメージから抜け出したいという気持ちがあるのだろう。この曲から今のアンダーグラフが、これまでの活動によってパワフルになり自信を持って活動ができているのかがわかる。2曲目の『ル』は、これまでのアンダーグラフ節。ギターが一定のメロディーを奏で、水槽の中でプクプクと上がっていく空気のような雰囲気を持つ。聴いているだけで心がポッと温かくなるようなこの曲。詞の中にある「何かが出来る気がしてた それでいい それだけでいいさ」とやさしく歌われるところは、今後何かすごく大きな問題を抱えたときに、きっと勇気をもらえる一言になるだろう。
今回はツアー連動CDとなっており、『ジャパニーズ ロック ファイター』を購入し、10/25からスタートする全国ツアーに参加すると、『Sekai-no-Kibou』と『ティアラ(live version)』の2曲が収録されたCDがプレゼントされるそう。こちらの2曲も、『ジャパニーズ ロック ファイター』と『ル』のようにアンダーグラフの静と動が表現されている。『ティアラ』は1月にリリースされたアルバム『呼吸する時間』に挿入されている曲。良い曲だとは思っていたが、ライブバージョンを聴いてさらに好きになった曲でもある。
今年はライブハウスツアーのスケジュールが発表されたり、10/1には初のライブDVDもリリースされ、1年の後半になるにつれ、活動がより活発になっているように思う。これからのアンダーグラフはもっと面白いことになるんじゃないかと想像するだけでワクワクする。
それにしても、今回、真戸原さんの単独インタビューに1人、気合い充分に向かったのだが、何度お会いしても人柄の温かさに向かい合ってドキドキしてしまう…。


(Rooftop:やまだともこ)


ASPARAGUS / ASPARAGUS LIVE

3P3B-56 2,800yen(tax in) / IN STORES NOW

2008年 SHIBUYA-AXで行われたMONT BLANC TOUR FINALを収録したLIVE ALBUMが出ちゃいました! 2枚組で全29曲収録という豪華な内容。いろいろ考えてはみましたが、ダラダラと余計な事は言いません! まず難しい事は考えないで、聴いてみたらいいんじゃないでしょうか(笑)?
ASPARAGUSのライブを見た事が無い人には彼らの“ライブの良さ”が伝わるはず! いや、伝わります。そして今度ライブに行って生で彼らの良さを感じたいと思うでしょう。ライブに行った事ある人はその風景を思い出して、うずうずしちゃってまたライブ行きたいー! って思っちゃうでしょう。そう思った人達は10月25日の下北沢SHELTERを皮切りに始まるNON★PLAN TOURに行っちゃいましょう! 個人的にLIVE ALBUMを聴いてこんなにライブに行きたくなったのは初めてです。この感覚を皆にも味わってもらいたいです。


(新宿LOFT:いの)


wooran / Unopened Letters

LACD-0146 1,785yen(tax in) / 9.18 IN STORES

満を持してリリースされるwooranの1stミニアルバム。哀愁のある抜群のメロディー、エッジの利いたバンドサウンドを武器に、ありふれたエモーショナルロックとは一線を画する音を鳴らしています。2003年に結成され都内を中心に活動、いままでに自主制作音源を3枚を発表していますが“independence-D 2007”出演等、前々から各方面に話題を振りまいていただけに耳の早い方々には待ちに待った作品となりました。全6曲には過去の作品からバージョンを変え3曲、新曲を3曲とまさに入門編としてはぴったりの1枚になっています。試聴もできるそうなので今初めてwooranを知った方は是非HPを覗いて見てください。PVも撮影中とのことなのでそちらもお楽しみに!


(下北沢SHELTER店長:峯崎)


L.A.SQUASH / MUSIC

RX-021 2,310yen(tax in) / 9.03 IN STORES

期待のバンドとして注目され続けてきたL.A.SQUASHがヤバいアルバム!! 『MUSIC』を造りだした!私が初めてL.A.SQUASHという衝撃に出会ったのは、07/9/16にLOFTで行われたRX-RECORDS主催の“...of newtypes vol.2” release party finalの時である。前々から関西に凄いバンドがいると噂は聞いていたが、この日、噂を目の前の現実として捉えることができた。あのライブから約1年。私が待ちに待った衝撃的なアルバムがついに完成した。数々のライブをこなし、裏付けされた演奏総力、そして、vocal.fuyukoの圧倒的歌唱力が交ざりあい、とてつもない1枚がここに出来上がった。この作品を言葉で表現するならクール&シャープという言葉が最も適切であろう。fuyukoの冷たく透き通った歌声は聴く人の心に深く突き刺さり、guitar.kazu、bass.ara-n、drums.shinjiからなる演奏隊はfuyukoの声を中心にクールかつ、シャープな楽曲により一層磨きをかけている。 まずはジャケットを手に取り視聴してほしい。 クール&シャープなメロディの中に光輝く何かがみえるはずだ! その何かはあなた自身で確かめてほしい。


(新宿LOFT:omi)


エルヴィス・プレスリー / The Complete '68 Comeback Special

BVCZ-35105/8 6,825(tax in) / IN STORES NOW

エルヴィスが「キング・オブ・ロックンロール」であることは誰もが知る所だ。しかし(特に日本においては)あまり熱心にエルヴィスが聴かれているとは言い難い状況が続いている。ビートルズ、ストーンズ、あるいはディランなどは基礎として一通り聴いても、それ以前のエルヴィスとなると「まあオールディーズだから」と敬遠してしまう人が多い。その要因の一つには、60年代、ビートルズが台頭したロック隆盛期に、エルヴィスがライブをやめて映画出演に没頭してしまったこともあるだろう。その間にロックはものすごい勢いで社会に広がり、エルヴィスは過去のスターとして忘れられてしまったのだ。そのエルヴィスが1968年、約7年ぶりにライブの封印を解き、圧倒的なロックンロールステージを披露したのが、後に『68カムバック・スペシャル』と呼ばれるTVショウである。このステージの模様が、リハーサルも含め完全な形でCD化されたのが今回発売されるこのコンプリートボックスだ。これを聴いてエルヴィスがオールディーズだと思う人はいないはずだ。1968年の時点でもエルヴィスこそがロックのキングだということを証明した歴史的瞬間を、是非ともこのCDで体験してもらいたい。


(加藤梅造)


小谷美紗子 / Odani Misako Trio

UNIVERSAL MUSIC/A&M 初回限定盤(DVD付):UMCK-9236 / 2,500yen(tax in) 通常盤(CDのみ):UMCK-1271 / 2,000yen (tax in) IN STORES NOW

オノ・ヨーコがかつて自著に記したこんな一文がある。「私のアートは、嵐の中を歩いた足跡みたいなもの。その時そういう歩き方をしなくてはならなかったから」。この言葉はそのまま小谷美紗子という音楽家の創作姿勢と重なる。止め処なく溢れ出る喜怒哀楽を歌とピアノに託し、小谷はデビュー以来12年間疾走し続けてきた。時に自分を裏切った不実な恋人や見せかけばかりの社会に檄を飛ばし、時に気宇壮大な愛を衒うことなく説いた。そんな彼女の表現がさらに剥き出しになったのが、玉田豊夢(ds)と山口寛雄(b)という鉄壁のリズム隊と共にトリオ・アンサンブルを確立してからである。『adore』、『CATCH』、『Out』という2005年以降に発表された作品における以前にも増した豊かな表現力は、玉田と山口という存在があってこそだ。メジャーを離れたことも、自らプロデュースを務めたことも、“その時そういう歩き方をしなくてはならなかった”。だが、そんな嵐の日々は盟友と組んだトリオで至上の音楽を生み出すためにあったのだ。トリオ編成第1期の集大成と言うべきこのベスト・アルバムには、矜持を失うことなく歌を紡ぎ続けた小谷の表現者としての証がしっかりと刻み込まれている。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


音速ライン / ポラリスの涙

初回限定盤UPCH-89031 1,000yen(tax in) / 通常盤UPCH-89089 1,200yen(tax in) 9.24 IN STORES

NHK教育テレビのアニメ『テレパシー少女蘭』のエンディングテーマに起用された『ポラリスの涙』をはじめ、インディーズ時代に発表した『思い出して』のセルフカバー、アルバム『100景』に収録されている『ナツメ』がアコースティックヴァージョンとしてパッケージされた通常盤と、アルバム『風景描写』に収録されている『逢いたい』のRE-MIXが初回限定盤のみにパッケージされたものと2種類のシングルを発売。どちらも手に入れたい、今回もファンにはたまらない仕上がりとなった。
個人的には通常盤に収録されている『思い出して』のセルフカバーを聴けるのは、ずっと楽しみにしていました。メンバーの前身バンドであった“スーパーリラックス”を知るきっかけとなった曲だった。藤井さんが書いた曲に初めて触れたのはまさに『思い出して』でした。いつのまにか“スーパーリラックス”は解散し、その後1つのデモテープをきっかけに知った音速ライン。一緒に仕事をしだし音楽バカ仲間となり、今ではお互いそれぞれの音楽の道を歩んでいる。だから『思い出して』が色褪せる事なく力強くなっているのを聴くと凄く嬉しくなる。


(SONG-CRUX:樋口寛子)


cbsmgrfc five / PLEASURES

NIW-032 2,730yen(tax in) / IN STORES NOW

滅多にログインしないミクシィでたまたま見つけたハナレグミが参加しているらしい新音源情報。My Spaceで早速に試聴してみたけれど、それはオムニバスなのか、PLEASURESが題名なのかバンド名なのか、英語ばかりでよくわかんない!ちうことで、とりあえず買ってみることに。発売日にタワレコの店員さんに探してもらい cbsmgrfc fiveの『PLEASURES』だと判明。今は、ただただ夢中で聴いてます。とにかく愉快で、アコースティックに傾倒していた近頃には新鮮に響くものがありました。久々にバンド仲間に連絡をとろうと思い出し、ここいらで俺もひとつシャキッとせねば、と、張り切る訳です。


(Naked Loft:上里環)


曽我部恵一BAND / トキメキLIVE!

ROSE 66 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

祝!サニーデイ・サービス再結成!!
「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」でまさかのサニーデイ復活を遂げた曽我部さん率いる曽我部恵一BANDのライブアルバム『トキメキLIVE!』。曽我部恵一BANDのデヴューアルバムであり、かつ傑作アルバムである『キラキラ!』を携えて、4月の渋谷クラブクアトロを皮切りに7月の恵比寿リキッドルームでのツアーファイナルまで、全国16ヶ所を回ったツアー“曽我部恵一BAND TOUR 2008 キラキラ!”。そのツアーファイナルから1ヶ月後にリリースという尋常じゃない早さで発売されたこのライブアルバムには、各地のライブ音源から厳選された20曲が収められているのですが、これがもう圧倒的な熱量!! 年間100本以上ライブを敢行してきたソカバンの集大成とも言うべき演奏に乗って、札幌→大阪→岡山…とその楽曲とともにその瞬間、その場所へトリップできます。収録曲も『キラキラ!』を中心に、これまでの曽我部さんのアルバムやサニーデイの曲からバランス良く散りばめられています。つまりベストアルバムなんです。しかもお値段1,500円也。超激安!!
今回のツアーに行って盛り上がった人も、行けなくて残念がっている人も、ソカバンのライブを体験したことがない人も全員楽しめちゃいます。


(ロフトプラスワン:白井絢介)


chickenrace / JOURNEY

EKRM-1098 2,300yen(tax in) / 9.17 IN STORES

6月にリリースされた先行限定シングル『Departure』が大好評の中、遂にセカンドフルアルバム『JOURNEY』がリリース。湘南出身の4人が思わず心と体を揺らしたくなるハッピーなサウンドで、湘南の海のように広く大きな空気感でピースなメッセージを届ける。「生活や人生は音楽とは結びついていると思う」と言われていたように、そこにあるものを歌ったら必然的に増えているもの…それは彼らの楽曲のところどころに散りばめられている“海”のキーワード。実は私も大の海好きで、彼らの地元である湘南近辺にも何度も遊びに行ったことがある。おかげで、あの海はどうだとか、あの辺はどうだとか、何度も何度も脱線しながらのインタビューとなった。自分の思い出ともリンクさせながら、今年は海にほとんど行けなかったので照りつける太陽を想像ながら、『JOURNEY』を聴くのが最近の日課。chickenraceの夏はまだまだ終わらないけれど、私の夏もまだ終わるわけにはいかない。


(Rooftop:やまだともこ)


ハンバート ハンバート / まっくらやみのにらめっこ

MDCL-1489 3,150yen(tax in)/ IN STORES NOW

ハンバートハンバートのことを知ったのはつい最近のことで、今までの活動歴について詳しい事は何一つわからない。しかし、今、目の前にある1枚の新譜のCDを聴きながら私は確実に穏やかな気持ちで心温かくしていられる。日々、何もない虚脱感と憂鬱にまみれるしょーもない生活を送っている私にとって本当にたまらない音楽だ。二人の歌声が高温低温、変幻自在に混ざりあい、バンドのアンサンブルでの融合でグルーブを放出する。シンプルな構成での楽曲が多い中で、強いビブラートと突き放すような発声が力強く心地良く、そして優しい。穏やかな表現では決してないが、どこかほっとさせてくれるのは嘘臭くないからだ。年齢を重ねるごとにえぐみ、渋みを越えたものが甘みに変わり、そして濃厚なコクが出て来る音楽とでも言えようか。しかしまあ、こんな曲を聴いたら幸福になりたい欲深き切実な気持ちが強くなって、また一人で呑んだくれてしまうな、、、。


(Loft A:金枝智之)


ハネムーン / ハチメンロック

KTM-003 1,500yen(tax in) / 9.17 IN STORES

早稲田大学のサークル内で出会った3人によって結成されたハネムーン。ギターボーカル、ベース、ドラムというオーソドックスな形態で真っ当なギターロックを鳴らす。この度、初の全国流通となる『ハチメンロック』をリリース!! 1曲目の正統派ギターロック『PET ROCK』から始まり、学生時代を思い出すこの単語『ルーズリーフ』。作詞・作曲で九州出身の二宮色全開。『九月の雨』では、歌詞のおもしろさに惹かれ、問題の4曲目『KUSTOM』。ゴリゴリとしたギターの音と、ひくぐらいずれてるという(笑)噂のベース。そして雄叫びを上げるメンバー。ニヤニヤしながら聴いてます。そして何事もなかったように『Supergrass』へ。先ほどとは一転。メロディーが心地よい曲。そしてラストの『ハネムーンのテーマ』では、イントロではアコギをしっとり聴かせる。そしてアップテンポのメロディーに心地よいコーラス。難しいことを考えず、頭ではなく体で楽しめる彼らの楽曲は、聴く人を限定せずに多くの人の心にやさしく溶け込んでいくのだろう。明るい未来へ、ハネムーンが今飛び出した!


(Rooftop:やまだともこ)


羽野昌二+深水郁 / Fish Heart/Water Heart

2,500yen(tax in) / IN STORES NOW

フリージャズ、インプロヴィゼーションのドラマー羽野昌二と、ピアノ弾き語りの深水郁による実況録音盤。深水の、「コンテンポラリーわらべうた」と呼ばれる、どこか懐かしさを感じさせるポップソングに、羽野の強引な即興ドラム、と聞くと一見意外な組み合わせのようだが、お互い邪魔し合わず、意外な程にマッチングしているのである。アルトサックスのGianni Gabbiaがゲストで2曲参加していて、Gianni Gabbiaのサックスが入るなり、羽野が水を得た魚のように本領発揮してしまい、深水が置いてきぼり食らっているところがまた人間臭くて良い。ライブ録音時の情景が浮かんでしまうのは、ライブ盤ならではの楽しみ方であろう。
即興演奏に縁の無かったリスナーにも、深水の柔らかなポップサウンドが包み込んでくれるので、嫌悪感無く楽しめると思われる1枚だ。


(Naked Loft:荒木卓)


FRONTIER BACKYARD / Rock The Boomy Style

NIW-033 2,625yen(tax in) / 9.05 IN STORES

FRONTIER BACKARD待望の3rd ALBUM届きました! 昨年はバンド史上初のLIVE本数をこなし、FBYと並行して様々なミュージシャンのサポートや楽曲プロデュースという多岐にわたる活動があり、UNITで隔月行われた自主企画では、全公演がSOLD OUT!!という、今まで以上にアグレッシブだったに違いなかったはずです。今年の2月からはiTunes Store限定でカヴァー曲を配信していて、積極的というか確信犯的な動きには、常に目が離せないのです。そこでの選曲がこのアルバムに響かない訳で…。これまでの絞り合ってきたような作品とは景色が違うのです。既にLIVEでは定評のある歌い出しの曲から、アッパーで爽快なナンバー。エレクトロなサウンドがポンポンと繰り出される中に、切ないメロディーがあったりして…それぞれが鮮明な色となっているのです。予想外に直球でわかりやすいと感じましたが、それが今のFBYの姿と直結している作品なのではないでしょうか。リリースに伴ったTOURも控えていて、ますますパワフルな今後のFBYに期待します。


(下北沢SHELTER:平子真由美)


THE HEAVYMANNERS / THE HEAVYMANNERS

VICL-62952 2,625yen(tax in) / 9.24 IN STORES

元DRY&HEAVY、現REBEL FAMILIAで日本のレゲエシーンを常に牽引してきた秋本HEAVY武士が2002年フジロックで魅せた伝説のバンド、SHING02&THE HEAVYMANNERSから6年。とうとうバンドで帰ってきた。その名もTHE HEAVYMANNERS。そして音源をリリースする。どんだけ待ちわびたか。当然のSHING02や、GOTH-TRAD、そしてジャマイカからYELLOWMANらが参加、そして驚愕したのはSLY&HEAVYの文字。SLYと言えば世界NO.1のレゲエドラマーと言われ、プロデューサーでも有るSLY DUMBER。そのSLYと、日本最高のベーシストHEAVYとの鉄壁リズムセクションが聞ける今作はそれだけで買いです。今作は、軟弱な世の中に強靱な強さと、最先端の音を詰め込んだ革新的なアルバムだ。最初から最後まで全てが聴き所だが、あえて言うならば最後のREBELというSLY&HEAVY名義でDUBMIX、GOTH-TRADの曲は、ズブズブとひきこまれ、戻ってこれなくなるだろう。


(新宿LOFT店長:大塚智昭)


VELTPUNCH / Paint your life gray

GNCL-1175 2,800yen(tax in) / 9.03 IN STORES

「汚れちまった悲しみに/今日も小雪の降りかかる」と詠ったのは中原中也である。その詩を読んで思い描く悲しみの色は十人十色だが、長沼秀典は悲しみに暮れた世界を『DIC954』という大日本インキの定めた灰色にあらかじめ指定している。物悲しい歌詞の割に曲調はキャッチー。その妙な明るさによって悲しみの深さが増幅され、リアリティの説得力が増しているのだ。絶望の淵が必ずしも闇の漆黒かと言えばそんなことはない。どれだけ途方に暮れてもしっかりと腹は減る。そのくすりとしたおかしみを長沼は重々承知しているからこそ、この『DIC954』はほのかな明るさを纏った灰色なのである。ただし、通算5作目となる本作収録曲の総体としての灰色はどす黒い。それは、それだけ本作に収められた10曲がカラフルに富んだ楽曲であることの何よりの証左だ。楽曲のクオリティと際限まで煮詰めたアレンジ、有機的なバンド・アンサンブル、そして楽曲の良さを最大限引き出したミックス。そのどれもが過去随一だ。TVアニメのオープニング・テーマ云々はレコード会社の惹句なので放っておけばいい。それよりも今はこの実り豊かな作品を心ゆくまで味わい尽くしたいものだ。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


ムック / アゲハ

初回限定盤UPCI-9526 1,500yen(tax in) 通常盤UPCI-5066 1,000yen(tax in) IN STORES NOW

3月に発表されたアルバム『志恩』に続く2008年第2弾リリースとなるムックのニュー・シングルは、L'Arc〜en〜CielのKenをプロデューサーに迎えた意欲作だ。硬質でメタリックなギター・リフと重量感のあるリズムが絡み合う表題曲『アゲハ』は、バンドの新たな代表曲としての風格を早くも感じさせるヴォルテージの高い逸品。アコースティック・ギターの隠し味が利いたアレンジの妙味も素晴らしい。初回限定盤には幻影的なムードの色濃い『青い森』とロック・バンドの領域を踏み越えた笑撃の映像作品『憧れのロックスター』が、通常盤にはYUKKEの技巧的なチョッパー・ベースが光るジャジーな『コンクリート082』がそれぞれカップリングされている。とりわけ『コンクリート082』におけるコーラス・ワークの美しさと逹瑯の情感豊かなヴォーカルは傑出している。あらゆる音楽的要素を貪欲に呑み込み進化の一途を辿る彼らが今後どういった方向性へと突き進んでいくのか、それを知る大いなる手がかりとして本作は非常に重要な意味を持っている。今秋のヨーロッパ・ツアーを経て、また一段と高みに登るであろう彼らの行く末が益々楽しみになってきた。


(LOFT PROJECT:千鳥ふみ子)


mojoco / 日曜日の朝、黒に染まる夜

XQFL-1003 1890yen(tax in) / 9.17 IN STORES

ここ最近私がもの凄くハマっているmojoco(モロコと読みます)。特に寝る前に思わず聴いてしまう、私のベッドミュージック。ゆったりとした音楽とまるで少年のような透き通ったボーカルに安心感を覚えます。また忙しなく日頃を過ごす私に「慌てない。慌てない。」と言われているかの様な曲の佇まいにドキッとさせられます。ライブも同様でmojocoが音を放つだけで空気が一気に優しく温くなる。
はるばる四国からとんでもない才能を秘めた2人が放つmojoco流スローミュージックが多くの人に安らぎと安心感を与える日はそう遠くないでしょう。 PS.私のお気に入りの楽曲は2曲目『スイッチ』と5曲目『ミラーボール』です。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


RUDDER / RUDDER

RFRN-0001 2,100yen(tax in) / IN STORE NOW

待ってました!といわんばかりの極上ジャムインプロバンドが来日する。出尽くした感のある閉塞したシーンにシカゴの実力派4人組が殴り込みをかける! 時代は異次元サウンドを求めている。生音グルーヴに身を任せ、めくるめく展開、気がつけば意識は現実から離れ、まわり近所さん達と融合し、ここはどこだ? 宇宙か!? PHISHやMMWに続く、より普遍性の高い音、時代が待ち望んだ音が、ここにある!! RUDDER、万を持して音源到着! Herbie Hancockの、ジャズだのなんだのというカテゴライズをあざ笑うかのごとく縦横無尽に宇宙を往来する、「普遍性」としか言いようのない音楽。RUDDERの生み出すサウンドはもはや、ジャンル分けを許さないユニバーサルな、「音楽」としかいいようがない! メンバーはどれも一級品だ! ウェイン・クランツのバンド・メンバーとして55BARを根城に活動してきたドラマーのキース・カーロックとベースのティム・レフェーブルの最強コンビ(近年キースはスティーリー・ダンに参加しており、ティムはユリ・ケインのベッドロックのメンバーでまたブーミッシュとしての活動でも有名)にキーボードはジェフ・ワッツとの活動でも知られるヘンリー・ヘイが担当。ほんと格好良すぎです。


(OBN:コバ兄)


ルフラン / めざめ

MYRD-1 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

自分は1977年生まれで、一応70年代生まれなんですが、物心はついていないので70年代の記憶というものはありませんが、なぜかとても惹かれるものがあります。懐かしいような気もするし、まだ景気も上り調子で日本全体が活気にあふれて、キラキラしていた時代のように思います。バブル時代も小中学生、就職は超氷河期という世代の自分は憧れて、YOUTUBEなんかで当時のテレビ番組とか、歌手なんかをよく観ては、現代で、こういうことを意識してやるバンドとかがあったらオモシロイのにな〜。なんて思っていました。そんな折、70年代感覚の歌謡曲を現代に蘇らせる、というこのユニットを聴きました(試聴)。2008年に発売されたと思えないほど、自分があこがれた70年代な感じがして、速やかにレジへと向かいました。さらに驚いたのは、このCDはプローデューサーのゲイリー芦屋さんがほとんど打ち込みで作っているらしいのですが、音がすごくイイ。耳に優しい音がします。まだライブは見たことないので是非見てみたいです。


(LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ)


U.G MAN / U.G LAND

CH-107 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

言わずも知れたHARDCORE BANDの1つの頂点U.G MANの初期音源集(14曲入り)である今作は、伝説と呼ぶに相応しい幻のワンマンライブ『LIVE IN 20000V』が丸々入った(掟ポルシェによる前説(!)が丸々入ってるのも個人的に嬉しい)のDVDとの2枚組。研ぎ澄まされたセンスの先に作られたCD、1つの頂点DVDは時が経った今でも“言葉”が未だ辿り着けない最前線で宙に浮いてブッチギっている。痛んだ毛先から、伸びた足の爪までが震える事件的な作品に出会ったからには書かずにはいらない。真似事BANDでは決して灯せない、この火種は絶対に絶やしてはダメだ。近年、止まらず増殖し続けるセールスマン、最新! 催眠情報、自称PUNK、鵜呑みにする人達(どれも自覚とか無いんだろうなーって思う)は絶対に触れなくてはいけない作品。半端な気持ちで触れて、ブン殴られて、目を覚ましてください。あー、生で見たかったー!!!!!!


(下北沢SHELTER:タカハシ)


V.A / 黄昏賛歌2

GR-04 1,000yen(tax in) / 9.16 IN STORES

日本における、音楽シーンの中でも意外と認知度の低いメロディック(そもそもメロディックと言うジャンルでの表現の仕方が合っているのかどうか微妙ですがなんとな〜く、言わんとしてる事をつかみ取ってください/泣)メロコアやJ-popとはまた違い一癖も二癖もあるせいでしょうか? しかしながら僕が思うに日本のメロディックってとても美しいですよ。日本人らしくとても繊細できめが細かい。きっとこの感じって日本人だから作れるものだと思うけど、意外と世界にも通用する気がします。と言っても保証は出来ませんが(笑)。でもこんなにも繊細で美しい音楽を作る事が出来るのって、日本人だからこそだと思いますし。
そんなメロディックが凝縮されたこのアルバム『黄昏賛歌2』ひょんな事からこのCDを作った人に出会ったんですが、メロディックって言う言葉を形にしたらこうなった! というような作品に仕上がっています。僕の大好きなGODユSGUTSも入っているし結構納得出来る内容になっております。しかもこれだけ充実した内容で税込み1000円と言う今時無い良心的な価格ですね。


(新宿LOFT:HxGxK)


靖国 YASUKUNI

CCRA-7029 4,725yen(tax in) / 10.01 IN STORES

1945年8月15日正午、天皇が初めて肉声をラジオで放送し、敗戦と降伏を発表したレコードがラジオ放送され、国民及び陸海軍にポツダム宣言の受諾と軍の降伏の決定が伝えられた。この日をもって、アメリカ・イギリスとの戦争は事実上終了してから約60年。まさかこんな映画が上映され、DVD化までされると誰が想像しただろうか? 上映中止の映画館も続出し、社会現象を産み出した問題のドキュメンタリー映画であるがゆえに、ご存知の方も多いでしょう。そう『靖国』です! あまりにいろいろと論議があり、本当にある意味での『問題作』ですが、キャッチコピーにもあるように「誰も知らなかった、歴史がここにある。」この作品を見たとき確かに僕の知らない真実がそこにあった。それを良しとするもNGとするも個人の勝手であり、それを賛否両論の論議をするのも自由なわけです。という意味で僕はできるだけ多くの日本人にこの作品を見ていただきたいと思った。そしてさっきも言ったように、良しとするもNGとするも個人の自由で良いと思った。だからあなたにも是非この映画を見てほしいと僕は思う。


(新宿LOFT:HxGxK)


posted by Rooftop at 10:22 | バックナンバー