数が多いので就職も非常に困難で、超氷河期時代と言われた。当時はバブルが弾けて早数年、どこの会社も社員を体の良いリストラにすることに躍起だった。そんな中で履歴書数通、面接数社で割とすんなり就職が決まった僕はラッキーな部類だったと思うが、入社できた音楽系出版社はバブルの煽りを受けて未曽有の出版不況に戦々恐々としていた。
とにかく本が売れない。僕が入社した時の単行本(タブ譜ではなく、ビートルズの伝記みたいな読み物)は初版が平均5,000部。ムックの場合は8,000〜10,000部。それが入社して4年が経過すると単行本からは基本的に撤退することになって雑誌を立ち上げることになり、たまに作る単行本も初版は4,000部からのスタートが平均になった(最近は3,000部らしいですね)。
季刊発行から始まった雑誌も隔月刊となったが、赤字を増やす一方で編集部自体が解体(笑)。つまり一方的なクビである(そのくせ辞表は自分都合にさせられたのだが)。すでにフリーマガジンの『bounce』が台頭してきて、音楽誌の売上が低迷してきた頃である。
編集稼業は何としても続けたかったので、ロフトに拾われてルーフトップの編集にありつけたのは幸運としか言い様がないけれど、今度は雑誌の独立採算のために広告の営業をしなければならない。が、無名の激マイナー誌などそう容易には広告収入など得られない。某大手広告代理店や飲料メーカーに何度アポを取ってもことごとく無視し続けられたこともある。その時の恨み辛みが良い発奮材料となったので、今にしてみれば大感謝なのだが。
例によってまた長々と書き連ねてしまったが、苦労話を自慢したいわけでは更々ない。要するに何が言いたいかと言えば、生まれてこの方景気のイイ話などひとつもなかったということだ。学生時代にバブルの恩恵に与ったこともないし、社会人になれば経費も人員も削減の一途。前の会社で恒例だったという社員旅行なんて行ったこともねぇし(笑)。
ただ、それでツラいことだらけだったかと言えばそんなことは決してない。恵まれない環境が常に「アタリマエ」なので、些細なトラブルなど屁でもない。すべてはマイナスから出発しているから、後は自分の動き次第でプラスに転じていくだけなのである。良くも悪くも加算式の発想と境遇に身を置かざるを得なかったのだが、今は逆にラッキーだったんじゃないかとすら思える。常にないものねだりで現状を嘆くよりも、ささやかな恵まれた機会に感謝できる人生のほうがずっと豊かに思える。
上の写真をよーく見て頂きたい。こんな幼稚園児並みのイラストしか描けない副編集長の山田はゼロどころかマイナスからの出発だぞ!(笑) これほどまでにこっぱずかしい絵しか描けなくても、ヤツの人生は充分に豊かなのである! 天晴れだ!(笑)(しいな)
註1:「べんさん」とは、落語芸術協会のエライ人&噺家さんによるジャズ・バンド「にゅうおいらんず」のベーシスト、ベン片岡氏である。45歳になったばかりの伊達男なのである。
註2:「永井さん」とは、ジャニーズからライブハウス界隈のバンドまでを手掛ける一流ヘアメイク・アーティストである。巻き髪が特徴のべっぴんさんなのである。
註3:2人は付き合っているわけではない(笑)。
そういえば、私も第2次ベビーブーム世代。
しいなさんの書いてる通り、学生の頃はマンモス学校、受験戦争、バブル崩壊で超氷河期時代。
ここだけ見ると思い出したくないくらい(*_*)とにかく必死でした。
私は専門学校卒業後、正社員で入社出来た会社は8年後に事業縮小で解雇。その後、別の会社に入社し現在に至ります。
今現在、全てにおいて恵まれた環境にあるとは言えませんが会社や社会のせいにするのではなく、常にポジティブシンキングで全てに感謝です。
自分が変わらないと何も変わらないしはじまらない。
一度きりの人生、ハッピーに楽しく生きないと!ですよねー(´∀`)
やまださんの絵…見ているとべんさんと永井さん特徴をよくつかんで似てるのかなと思ってしまいます(笑)
可愛らしい絵です。絵心ありで和みますよ!
そう、不遇を社会や誰かのせいにしても何も始まらないですからね。
幸福か否かはあくまで自分自身が決めるべきだと思うし。
よーく自分の置かれた境遇を顧みると、もの凄く満ち足りていることに気づくんですよね。
五体満足で健康だし(一応は・笑)、家族も健在で一心に打ち込める仕事もある。
充分すぎるほど事足りているし、足りてないのは脳味噌くらい(笑)。
心に余裕がないと足りないものばかり探そうとするから、そこは何とかせにゃいかんなと思ってますです、はい。
五体満足で健康!ホント、おっしゃる通り健康第一ですね。
足りてないのは脳味噌くらい(笑)て(´Å`)
いやいや、ボキャブラリーも豊富で柔軟で頭の回転早くて素晴らしいなと思いますよ☆
べんさん、ご本人からの書き込みビックリしました!
嬉しいです。
そういえば、同じ出身地ということを後で知り、またまたビックリでしたー!
…………………次行ってみよう!(笑)
コメント、ひそかに更新されてるー(笑)
べんさんはオヤジギャグ!?(笑)だし、しいなさんはいかりやさん風味だし(笑)なんかウケるー(≧▽≦)